【5:12】
『主は約束どおり、ソロモンに知恵を賜わったので、ヒラムとソロモンとの間には平和が保たれ、ふたりは契約を結んだ。』
神は約束されたことを必ず果たされる御方です。何故なら、神は真実で正しい御方だからです。神は御自分を偽ることが決してありません。ですから、神はそもそも最初から偽りによる約束をされることがありません。このため、神は『約束どおり、ソロモンに知恵を賜わ』りました。その知恵は完全な知恵であり、『神の知恵』でした。この知恵は恐らくソロモンが死ぬ時までソロモンから取り上げられなかったかもしれません。聖書はソロモンから知恵が取り去られたなどと示していません。
このような神の知恵をソロモンは受けていましたから、『ヒラムとソロモンとの間には平和が保たれ』ました。これは知恵ある者が争いをなるべく避けようとするからなのです。逆に愚かな者は自ら進んで争いを起こそうとします。ソロモンが箴言の中でこう言っている通りです。『争いを避けることは人の誉れ。愚か者は争いを引き起こす。』このようにヒラムとソロモンとの間に平和があったのは、神の御心だったことでしょう。何故なら、神とは「平和の神」であられるからです。この神は『平和を求め、これを追い求めよ。』と言われました。もしソロモンが愚か者だったとすれば、ヒラムとの間に平和を保つことができなかったかもしれません。
このようにしてソロモンとヒラムは『契約を結んだ』のでした。この『契約』とはどのような契約でしょうか。これは支配者間における平和な親交の契約だったと思われます。つまり、ソロモンはヒラムの益を求め、ヒラムもソロモンの益を求める、などといった内容の契約だったはずです。互いに害を決して与えないようにするという内容であった可能性もあります。このような契約により、ソロモンとヒラムは互いに敵対することがなくなりました。こういった契約は、益と安全のためにはかなり有効な手段となります。そのような契約は私たちに対し、盾また保険のような効果を齎すのだからです。そのような契約による平安を得ることのメリットは大きいものがあります。