【8:46】
『彼らがあなたに対して罪を犯したため―罪を犯さない人間はひとりもいないのですから―』
ここでもまたイスラエルが罪を犯した場合について言われています。イスラエルが神に罪を犯すとは、つまりイスラエルが神の律法を守らないことです。何故なら、ヨハネが言ったように『罪とは律法に逆らうこと』だからです。ここでは『罪』が全体的に取り扱われています。イスラエルが神の民であるからというので、罪を犯さないというわけではありませんでした。何故なら、イスラエルが道徳的にしっかりしているからというので、神がイスラエルを御自分の民にされたのではなかったからです。イスラエルは贖われた民であったものの、他の全民族と同様、神の御前で罪深い存在でした。ですから、イスラエルも幾度となく罪に陥ったのです。もしイスラエルが全く道徳的に完璧だったとすれば、神はイスラエルを御自分の民としておられなかったでしょう。というのも、神が招かれるのは正しい者でなく病人だからです。
ここで『罪を犯さない人間はひとりもいない』と言われているのは真実です。ソロモンは伝道者の書でもこう言っています。『善を行ない、罪を犯さない正しい人間はひとりもいない』。あのモーセでさえ神に罪を犯しました。ノアも罪に陥りました。ダビデも大きな罪を犯しました。パウロも罪を犯してしまいました。神に恵まれていた彼らでさえ罪を犯したとすれば、他の人間は尚のこと罪に陥るでしょう。まさか彼らよりも自分は道徳的にしっかりしているなどとあえて言える人など決していないはずです。しかし、キリストだけは話が違います。キリストは真の人間であられますが、しかし私たちのように罪を犯すことは全くありませんでした。それはヨハネが『キリストには何の罪もありません。』と言った通りです。