【9:11】
『ツロの王ヒラムが、ソロモンの要請に応じて、杉の木材、もみの木材、および、金をソロモンに用立てたので、』
ヒラムは、ソロモンに木材と金を『用立て』ていました。それはかなりの量でした。ヒラムのいたツロには木が豊かだったからです。ヒラムが金を多く持っていたことは間違いありません。でなければ多くの金をソロモンに用立てることはできなかったはずだからです。これらの木材と金は、宮と王宮を建てるために使われました。ヒラムはそれらを無償でソロモンに与えたのです。何故なら、ソロモンとヒラムの間には幸いな関係があったからです。というのも、ソロモンの父ダビデとヒラムが良い友情を持っていたからです。ダビデとヒラムのその友情は、ダビデの子ソロモンへと引き継がれたわけです。もしソロモンとヒラムに良い関係が無ければ、ヒラムがこのように『用立て』ていたかどうかは分かりません。しかし、用立てるほどの良い関係が両者の間にあることこそ神の御心でした。何故なら、ソロモンがこの時に宮と王宮を建築するということこそ神の御計画だったからです。
『ソロモン王はガリラヤの地方の二十の町をヒラムに与えた。』
ヒラムがソロモンに木材と金を用立てたのは、その友情ゆえでした。無償で与えるというのは良い関係があることの現われだからです。このようにヒラムは善いことをソロモンに対して行ないました。当然ながらソロモンはその善に対して応じるべきことをしっかり弁えていました。その受けた幸いに対して返礼すべきであるということを、ソロモンのような知者が忘れるはずはないのです。ですから、『ソロモン王はガリラヤの地方の二十の町をヒラムに与え』ました。『ガリラヤ』とはイスラエルの北部にある地域です。この地域が与えられたのは、ヒラムの国であるツロから距離的に近かったからなのでしょう。ソロモンが『二十』の町を与えたのは、単に多く与えたというだけのことであり、この数字に象徴的な意味は何も含まれていません。