【20:34】
『こうして、アハブは彼と契約を結び、彼を去らせた。』
ベン・ハダデと結ばれた契約は、アハブが自ら進んで結んだ契約でした。アハブは誰かから強制されたりせず、自らこうすることを決定したわけです。ベン・ハダデは自分からこのような契約を結んでほしいと言いませんでした。アハブがこのような『契約を結』んだのは、致命的な過ちでした。まずアハブが異邦人であるベン・ハダデと『契約を結』んだのは、それ自体からして既に間違っていました。何故なら、神は律法でイスラエル人が異邦人と契約を結ばないように命じておられるからです。イスラエルは神の民として聖でなければなりません。もしイスラエルが汚れた異邦人と契約を結べば、異邦人の汚れに伝染することとなります。ですから、アハブは異邦人であるベン・ハダデと契約を結ぶべきでありませんでした。またこのベン・ハダデは、神が聖絶しようとされた者でした。だからこそ、このベン・ハダデはアハブの手に神から渡されたのです。そのため、アハブはベン・ハダデと契約を結ばず、寧ろベン・ハダデを殺すべきでした。それなのにアハブはベン・ハダデを殺さず逃がしました。つまり、アハブはここにおいて二重の致命的な過ちを犯したことになります。
【20:35】
『預言者のともがらのひとりが、』
ここで言われているのは、イスラエル王国に多くいた預言者の一人です。彼は、神に立てられた本物の預言者でした。しかし、この預言者の名前や詳細については何もここで示されていません。
『主の命令によって、自分の仲間に、「私を打ってくれ。」と言った。』
この預言者は、同じ預言者である仲間に対し『私を打ってくれ。』と求めました。この求めは預言者が自分で求めたというより、『主の命令によって』求めたものです。ですから、このように求められた仲間は、必ず求められた通りに、その求めた預言者を打つべきでした。そのようにして打たれるのには、後の箇所から分かる通り、しっかりとした意味がありました。