【9:13】
『すると、彼らは大急ぎで、みな自分の上着を脱ぎ、入口の階段の彼の足もとに敷き、角笛を吹き鳴らして、「エフーは王である。」と言った。』
エフーが仲間たちに告げたのは、まさしく神からの言葉でした。御言葉は絶対であり、否定することの許されないものです。このため、神の言葉を聞いた仲間たちは、エフーをイスラエル王にする思いを持ちました。当時の王であったヨラムに対する反発心も多かれ少なかれあったかもしれません。こうして彼らは『エフーは王である』と言って、エフーの支配と王権を宣言しました。この宣言に偽りはなかったでしょう。神が彼らの心に働きかけ、このような宣言をさせるようにしたのです。何故なら、エフーが王になることこそ神の御心だったからです。彼らが『自分の上着を脱ぎ、入口の階段の彼の足もとに敷』いたのは、エフーの王権を認めたことの印です。彼らは上着をエフーの足もとに置くことで、エフーを自分たちより上に位置付けたのだからです。これを彼らは『大急ぎで』行ないました。これは彼らの意思がどれだけ堅固で強かったかよく示しています。躊躇わないその態度に思いの強さが反映されているわけです。『角笛を吹き鳴らし』たのは、これが公に関わる重要な事柄だったからです。この角笛は事実上の公示と見做せるでしょう。