聖書の学び

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Ⅰ列王記10:13(2023/12/22)

【10:13】
『ソロモン王は、その豊かさに相応したものをシェバの女王に与えたが、それ以外にも、彼女が求めた物は何でもその望みのままに与えた。彼女は、家来たちを連れて、自分の国へ戻って行った。』
 ソロモンは、女王にその望む物を全て与えました。これは女王がソロモンのもとに訪問したからであり、また女王から多くの贈り物を贈られたからでしょう。ソロモンがどのような物を女王に与えたか詳しくは分かりません。しかし、それが女王の『豊かさに相応したもの』だったことは分かります。つまり、非常に高価な物だったということです。ソロモンはこのように女王が望むまま与えることのできる財力を持っていました。神がソロモンを豊かに富ませて下さったからです。この時、恐らく女王の収支はマイナスになったかもしれません。何故なら、女王はソロモンに『百二十タラントの金と、非常にたくさんのバルサム油と宝石』(Ⅰ列王記10:10)を贈ったからです。ソロモンがこれ以上の額となる物を女王に与えたとは考えにくいと思われます。しかし、女王の収支など私たちにとっては別にどうでもいいことです。こうして女王は『家来たちを連れて、自分の国へ戻って行』きました。このような贈り物を贈ることが、エルサレム訪問の主目的ではありませんでした。女王の訪問における主目的は、親交および検証のためです。贈り物は交わりの手段また道具に過ぎません。女王がエルサレムに滞在していた期間は詳しく分かりません。長かったかもしれませんし短かった可能性もあります。また女王が聖書で書かれていること以外にエルサレムで何かしたのかどうかも詳しくは分かりません。

 

 このような訪問と贈り物は、支配者たちの間に関係を築き、良い親交を保たせるものです。そのような親交は支配者たちとその国にとって大きな益となります。何故なら、親交を持っている国が互いの利益を求めるのは自然なことだからです。しかも親交を持つ国と、どうしてむやみやたらに敵対することが出来るでしょうか。自国民のことを考えるならば、その国と敵対しないほうが益になるのは明らかです。ですから、国家の親交とは自国を守るための盾となります。よって、女王がソロモンのもとに行ったのは良かったことになります。もし女王が訪問しなければ、このような親交をソロモンと持つことは無かったはずです。しかもその場合、女王はソロモンの噂が本当かどうかずっと分からないままだったでしょう。ですから、女王のエルサレム訪問は一石二鳥だったことが分かります。