聖書の学び

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Ⅰ列王記10:14(2023/12/23)

【10:14】
『一年間にソロモンのところにはいって来た金の重さは、金の目方で六百六十六タラントであった。』
 ここで『一年間』と言われているのは、シェバの女王がエルサレムに訪れる時までの1年間を指しています。この『1年間』にソロモンは合計で『六百六十六タラント』の金を得ましたが、その内訳は、船団がオフィルから持ち運んだ420タラントおよびヒラムとシェバの女王からそれぞれ贈られた120タラントです。こられ3つを合計すると660タラントになります。しかし、ここでは『六百六十六タラント』と言われています。この箇所では『金の目方で』と書かれていますから、この箇所における重量は精確です。つまり、前に書かれていた金の重量はどれも概数だったことが分かります。聖書において概数が使われるのは何も珍しくありません。この通り、ソロモンは1年間でぴったし666タラントの金を得ました。1タラントは34kgですから、これは22トン644kgとなります。金が1kgあたり100万円だとすれば、これは現在価格で226億4400万円となります。1年間でこれだけの収益です。これは凄まじいことです。現代でも1年間にこれだけ収益を得られる人はごく僅かしかいません。この「666」とは、極度の邪悪また非常な堕落を示す象徴数です。どうしてこの数字は忌まわしいことを示すのでしょうか。それは「6」が3つ並んでいる数字だからです。「6」は聖書で人間を意味します。3つが連続するのは聖書において強調を意味します。ですから、この数字は罪深い人間とその邪悪さ(6)が3つも横に並んでいるため、聖なる神から完全に逸脱した忌まわしい状態や行為があることを示すわけです。この数字を言葉に変換して示すならば、「邪悪・邪悪・邪悪」となるでしょう。この通り、「666」はただ何となく忌まわしい意味が付与されているわけではありません。これが邪悪な数字であるのはしっかりした理由があるのです。これが邪悪な意味を持つ数字であるのは今や一般の人々でさえ知っていることです。ですから、意図的にこの数字を使用・選択する者が見られるわけです。そのように人が好き勝手にこの数字を利用するぐらいであれば、そんなのは単なるお遊びに過ぎません。つまり、「悪ふざけ」です。重要であるのは何か単純でない事柄において、結果的に意図せずこの数字が現れる場合です。何故なら、その場合、神がその数字を現れるよう働きかけたからです。このような場合は無視できない重要性がそこにあります。この時に666タラントの金を得たソロモンの場合もそうでした。ソロモンが666タラントの金を得たのは、ソロモンが意図したことではありません。この時にソロモンが666タラントの金を得たのは、ソロモンがこれから極度に堕落することを示す前触れだったのです。ソロモンがこれからどうなるかは教会でよく知られている通りです。この時はまだ大丈夫だったものの、晩年のソロモンは忌まわしい偶像崇拝者となってしまいました。ソロモンが死ぬ前にこの邪悪な罪を捨てて悔い改めたのかどうか聖書では知らされていません。もしかしたらソロモンは死ぬ時まで偶像崇拝を捨てなかった可能性もあります。神はこれからソロモンがこういった邪悪さに陥ることを知っておられました。ですから、ソロモンがこれから悪くなるという預言として、神はソロモンが1年間に得る金の総量を666タラントとなるよう働きかけたのです。