聖書の学び

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Ⅰ列王記10:10~12(2023/12/21)

【10:10】
『彼女は百二十タラントの金と、非常にたくさんのバルサム油と宝石とを王に贈った。シェバの女王がソロモン王に贈ったほどに多くのバルサム油は、二度とはいって来なかった。』
 女王は、ソロモンが聞いていた通りの、それどころか聞いていた通り以上の知恵ある王であることを知りました。ですから、女王は持って来た多くの贈り物をソロモンに贈りました。ソロモンの『知恵と繁栄』と考えるならば、多くの贈り物が贈られるに相応しいのです。もしそうしなければ、ソロモンに対して無礼となったでしょう。女王は、もしかしたらこうなるかもしれないと思ったので、確かめるより前から予め贈り物を用意していました。もしソロモンが噂通りの王でなければ、恐らく女王はその贈り物をソロモンに贈っていなかったかもしれません。女王が贈った『百二十タラントの金』は、前にヒラムが贈っていたのと同じ量です。女王もこれだけの金を贈れるほどに富んでいたのです。しかし、この120タラントの金が女王の所有する金の何パーセントだったかまでは分かりません。こうしてソロモンはますます富む者とされました。神がソロモンを富ませて下さったからです。女王はソロモンに『宝石』をも贈りました。それはかなりの量だったと思われますが、実際の量については詳しく分かりません。その宝石は恐らく様々な種類の内容だったと推測されます。女王は『バルサム油』も贈りました。しかも、それはとんでもない量でした。シェバはバルサム油を多く所有する国だったのでしょう。このようにソロモンは油においても富む者とされました。これは神がソロモンを喜んでおられたからです。

 

【10:11~12】
『オフィルから金を積んで来たヒラムの船団も、非常に多くのびゃくだんの木材と宝石とをオフィルから運んで来た。王はこのびゃくだんの木材で、主の宮と王宮の柱を造り、歌うたいたちのために、立琴と十弦の琴を作った。今日まで、このようなびゃくたんの木材がはいって来たこともなく、だれもこのようなものを見たこともなかった。』
 先に見た船団は、金だけでなく木材や宝石もオフィルから持ち運んでいました。それは当然ながらソロモンの所有物とされたでしょう。オフィルは金だけでなく、木材や宝石も取れる場所でした。特に『びゃくだんの木材』は良い意味で常識を遥かに超えるほどの量が持ち運ばれました。これもやはりソロモンに対する神の御恵みです。こんなに多くの木材が与えられたのですから、神がどれほどソロモンを喜んでおられたかよく分かるというものです。

 

 この『びゃくだんの木材で』、ソロモンは『主の宮と王宮の柱を造り』ました。もう既にこの時には神殿と王宮が建てられていました。ですから、これはつまり神殿と王宮が増築されたということでしょう。そうでなければこの箇所では、まだ神殿と王宮が完成されていない時期のことを書いているのです。またソロモンはその木材で『歌うたいたちのために、立琴と十弦の琴を作』りました。ソロモンは歌を好んでいたようです。この『歌うたい』については、ソロモンの書いた伝道者の書でも言及されています。彼らのために作られたこれらの楽器は、どれも完成度の高い素晴らしいものだったことでしょう。