聖書の学び

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Ⅰ列王記11:26~27(2024/01/17)

【11:26】
『ツェレダの出のエフライム人ネバテの子ヤロブアムはソロモンの家来であった。彼の母の名はツェルアといい、やもめであった。ところが彼も王に反逆した。』
 ソロモンには、先に見たハダデとレゾンだけでなく、ヤロブアムも敵対することになりました。それまでヤロブアムは『ソロモンの家来』であり、ソロモンに対する敵対者ではありませんでした。しかし、この家来が敵に変わったのです。このような変化は、ソロモンに対する刑罰のためでした。もしソロモンが偶像崇拝を犯していなければ、恐らくヤロブアムはソロモンへ敵対する者とならなかったでしょう。こうして神はヤロブアムを通してもソロモンが苦しむようにされました。この通り、偶像崇拝という大きな罪を犯せば、何重にも苦しみが与えられることとなります。しかし、そのようになっても、それは偶像崇拝の罪を犯したためなので、自業自得なのです。ちょうど毒を毒であると分かっていながら飲んだ人が、その毒により苦しむのと同じです。偶像崇拝とは霊的な毒でなくて何でしょうか。このヤロブアムは『ソロモンの家来』であり、ソロモンと近い関係を持っていました。遠い国にいる異邦人であれば敵対されても多かれ少なかれ我慢ができたかもしれません。しかし、家来が反逆するというのは、自分の身体に癌が生じるのと似て、厳しい悲惨があります。けれども厳しいからこそそれが刑罰となるのです。ヤロブアムは『エフライム人』であるイスラエル人でした。先に見た2人の敵対者たちはイスラエル人でなく異邦人でした。今度はイスラエル人が敵対者になったという点で、ヤロブアムは先に見た2人と大きく異なっています。ヤロブアムの相続地であった『エフライム』はベニヤミンとダンの北に位置しており、ユダの相続地とは少しも接していません。ここではヤロブアムの母が『やもめであった』と書かれています。つまり、ヤロブアムの父は母と何か理由があったため離れたのです。ここでヤロブアムの母が『やもめ』であると書かれているのは、特にこれといった意味はないはずです。これは単に情報として『やもめであった』と書かれているだけであると思われます。

 

【11:27】
『彼が王に反逆するようになった事情はこうである。ソロモンはミロを建て、彼の父ダビデの町の破れ口をふさいでいた。』
 ヤロブアムが反逆に至った『事情』がこれから書かれます。この事情は重要です。何故なら、反逆したヤロブアムはこれから北王国イスラエルの王となるからです。ソロモンが『彼の父ダビデの町の破れ口をふさいでいた』と書かれているのは、つまり『父ダビデの町』であるベツレヘムの荒廃した場所を補修したという意味でしょう。ソロモンには豊かな資金がありましたから、補修はイスラエルのどこでも十分に行なえたと考えられます。『ミロ』とはベツレヘムの町における呼び方です。つまり、『ミロ』とは町のことであり、何かの像とか建物ではありません。