聖書の学び

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Ⅰ列王記11:28~29(2024/01/18)

【11:28】
『ヤロブアムは手腕家であった。ソロモンはこの若者の働きぶりを見て、ヨセフの家のすべての役務を管理させた。』
 『ヤロブアムは手腕家であった』というのは、つまり優れた成果を挙げる力量ある社長のようだったということです。ヤロブアムは上手に為すべき事柄を成し遂げることができました。このような人は支配者や上司などの目に留まるものです。ですから、『ソロモンはこの若者の働きぶりを見て、ヨセフの家のすべての役務を管理させ』ました。ヤロブアムがヨセフ家の仕事を任されたのは、ヤロブアムの属するエフライム部族がマナセ部族と共にヨセフの部族だったからです。その部族はその部族の者に支配されるべきだという自然な考えがあったと思われます。つまり、もしヤロブアムがダン族であれば、ソロモンはヤロブアムにダン家の役務を管理させていたはずです。何であれ『働きぶり』とは表に現われざるを得ないものです。何故なら、目に見える勤勉さや無視できない優秀性が働きぶりと言われるのだからです。ヤロブアムが管理者に任じられたのはまだ『若者』の時でした。優秀な人はその若い頃から優秀性を多かれ少なかれ示すものです。

 

【11:29】
『そのころ、ヤロブアムがエルサレムから出て来ると、シロ人で預言者であるアヒヤが道で彼に会った。アヒヤは新しい外套を着ていた。そして彼らふたりだけが野原にいた。』
 『ヤロブアムがエルサレムから出て来る』とは、どういった状況なのでしょうか。先に見た11:26の箇所では、ヤロブアムが『王に反逆した』と書かれていました。そして、この箇所から少し進んだ箇所では『ソロモンはヤロブアムを殺そうとした』(Ⅰ列王記11章40節)と書かれています。よって、ここで『ヤロブアムがエルサレムから出て来』たと書かれているのは、反逆に関連しているのでしょう。恐らくこの時にヤロブアムがエルサレムから出たのはソロモンに逆らったからであり、このためソロモンはヤロブアムを殺そうとしたのでしょう。ヤロブアムがエルサレムから出ると、『預言者であるアヒヤが道で彼に会』いました。この時代には預言者が多くいました。『シロ』とはエフライムのやや北東にある場所です。神がこのアヒヤとヤロブアムを会わせたのです。それは神の預言がアヒヤを通してヤロブアムに語られるためでした。この時にアヒヤが『新しい外套を着ていた』のは、決して偶然ではありません。そもそも偶然などというものはありません。何故なら、全ての事柄は神が予め定めておられるからです。彼が『新しい外套を着ていた』のは、これからその外套を用いて預言が語られるためでした。神が預言のため新しい外套を着るようアヒヤに指示しておられた可能性は高いでしょう。こうして『彼らふたりだけが野原にいた』というのは、どういったことなのでしょうか。これは神がソロモンに対して預言を語られるからです。預言を聞く対象はソロモンだけです。他の人ではありません。ですから、預言者アヒヤとソロモンだけが他に誰もいない野原にいれば、それで良かったのです。