聖書の学び

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Ⅰ列王記2:23~25(2023/07/10)

【2:23~25】
『ソロモン王は主にかけて誓って言った。「アドニヤがこういうことを言って自分のいのちを失わなかったら、神がこの私を幾重にも罰せられるように。私の父ダビデの王座に着かせて、私を堅く立て、お約束どおりに、王朝を建ててくださった主は生きておられる。アドニヤは、きょう、殺されなければなりません。」こうして、ソロモン王は、エホヤダの子ベナヤを遣わしてアドニヤを打ち取らせたので、彼は死んだ。』
 アドニヤの願いは、アドニヤが低級で王に相応しくない人物であることを示していました。彼は自分の低劣さを自ら曝け出したのです。愚かな者は自分の愚かさを自ら周囲に知らせるものなのです。だからこそ愚か者は「愚か者」と言われるわけです。このような愚かさにソロモンの知性は耐えることができませんでした。そのため、ソロモンは何としてもアドニヤを死刑にすると決定します。このようなアドニヤは、ソロモンの王座に対して相応しくない存在だからです。ソロモンはアドニヤを死刑にすると神かけて誓います。ソロモンはもしアドニヤを死刑にしなければ、『神がこの私を幾重にも罰せられるように』とさえ願ったほどです。ここまで強い思いで死刑を下そうとしたのは、ソロモンの憤りが非常に大きかったからでした。こうしてアドニヤは『エホヤダの子ベナヤ』により殺されてしまいました。この死刑の際、ソロモンには何の躊躇もありませんでした。しかし、アドニヤがどのような仕方で殺されたのかは分かりません。ソロモンはかつて、もしアドニヤに悪があれば死ななければならないと言っていたのです。その言葉通りのことがこの時に実行されたわけです。つまり、ソロモンはアドニヤのうちに悪を見出したのです。

 

 この通り、アドニヤは自分の口から出た言葉によって滅びました。もしアドニヤがアビシャグの求めを口にしていなければ、ソロモンから殺されることはなかったでしょう。この出来事からも分かる通り、私たちは口から出る言葉に注意すべきです。何故なら、言葉に生きるか死ぬかがかかっているからです。それはソロモンが箴言の中でこう言った通りです。『人の生はその舌に支配される。どちらかを愛して、人はその実を食べる。』私たちも常日頃からニュースで何度も見ているではありませんか。愚かなことを口にしたので非難されたり悲惨な状態となった人を。彼らはアドニヤのように口が悪かったのです。