聖書の学び

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Ⅰ列王記9:9(2023/12/02)

【9:9】
『すると人々は、『あの人たちは、エジプトの地から自分たちの先祖を連れ出した彼らの神、主を捨てて、ほかの神々にたより、これを拝み、これに仕えた。そのために、主はこのすべてのわざわいをこの人たちに下されたのだ。』と言うようになる。」』
 廃墟と化した宮の場所を見て異邦人たちが不思議がる際は、宮が廃墟と化した理由について指摘する異邦人もいます。その異邦人たちは、その悲惨はイスラエル人の咎が原因であると指摘します。これは全く正しい指摘でした。異邦人にも神がイスラエルを罰されたことが分かるのです。こうして宮の捨てられた理由が明らかとなりますから、異邦人たちは全く納得することになります。ここで言われている通り、神はイスラエル人の先祖を『エジプトの地から』連れ出し、御自分の民とされました。神がこうされたのは古代においてイスラエル人だけでした。それはあまりにも大きな御恵みでした。これはたとえ異邦人が願ったとしても決して異邦人には与えられることのない幸いでした。しかし、イスラエル人はこのような御恵みを受けたにもかかわらず、その御恵みを下さった『神、主を捨てて』、偶像である偽りの神々を求めました。イスラエル人は偽りの神々のほうが好ましいと思い、それに頼ったのです。イスラエルはその偽りの神々『を拝み、これに仕え』ました。これは神に対するあまりにも大きな忘恩でした。これ以上の忘恩は他に考えられないと言ってよいでしょう。神はこのような忘恩行為について、ここで予め述べておられます。神はそういった罪にこれからイスラエルが陥ることを知っておられました。実際、イスラエルはこれから神を捨てて偶像崇拝に陥ってしまいます。イスラエルがそのような罪を犯したため、神から宮と共に捨てられるという災いを受けたのです。しかし、神が御自分の民と宮を捨てられたとしても、神に責任は全くありません。何故なら、イスラエルがまず先に神を捨てたのだからです。神はそのような背信イスラエルが御自分に立ち返るよう、幾度となく預言者を通してイスラエルに働きかけられました。しかし、それにもかかわらずイスラエルが神に立ち返ろうとしなかったため、神は大きな災いをイスラエルに下されたのです。ですから、恐るべき災いをイスラエルが受けた原因は全くイスラエルにありました。悪いのはもう全くイスラエルだったのです。この災いにおいて神は非難されるべき点を一つも持っていません。