聖書の学び

聖書の学び

Ⅰ列王記10:25(2023/12/31)

【10:25】
『彼らはおのおの贈り物として、銀の器、金の器、衣服、武器、バルサム油、馬、騾馬などを、毎年きまって携えて来た。』
 多くの富と神から与えられた知恵を持っていたソロモンの偉大さを考えるならば、ソロモンには贈り物を多く贈るのが望ましかったでしょう。「望ましかった」と言うより、それは「義務」だったと言えるでしょう。もしソロモンに贈り物を贈らない人がいれば、そのような人はソロモンを低く見積もっているのです。そのような間抜け者がいたかどうか疑わしいでしょう。こういうわけで、ソロモンに謁見を求めた者たちは、『おのおの贈り物』を『毎年きまって携えて来た』のです。それゆえ、ソロモンは時間が経過するにつれ、ますますその資産を増し加えたことが分かります。神がソロモンに物質的な御恵みを注ぎ続けて下さっておられたのです。『銀の器』がソロモンには贈られたものの、これは先の箇所から分かる通り、ソロモンに使われなかったでしょう。ソロモンでない誰か別の者がこれを使ったはずです。それは臣下とか臣下の家族などが考えられます。しかし、『金の器』であればソロモンにも使えたでしょう。このような金の物は、王者への贈り物として相応しい物です。何故なら、高貴さには金がよく似合うからです。『衣服』については詳細がよく分かりません。ただソロモンに贈られる贈り物でしたから、上質な衣服だった可能性が高いでしょう。偉大な王に対して価値の低い衣服を贈るのは失礼なことだからです。『武器』も詳細はよく分かりません。しかし、この武器が贈られたことで、ソロモンの軍隊における戦力が強められたことは間違いありません。『バルサム油』は、先にシェバの女王もソロモンへと贈っていた物です。しかし、ソロモンに最もバルサム油を贈ったのは、シェバの女王でした(Ⅰ列王記10:10)。『馬、騾馬』は古代人にとって便利な乗り物であり、現代における自動車やバイクと同じだったことでしょう。これがどれぐらいソロモンに贈られていたかは詳しく分かりません。この箇所でソロモンに贈られた贈り物として挙げられているのは「7」つです。ここでは『などを』と書かれていますから、ソロモンへ贈られた贈り物の種類がこの7つ以上だったのは間違いありません。しかし、ここで「7」つの贈り物が挙げられているのは象徴的な意味を持っています。ここでの「7」は、謁見する人々が完全で十分な贈り物をソロモンに贈ったということです。つまり、ソロモンに謁見を求めた人たちは謁見する際、心からの敬意により豊かな贈り物を携えて来たわけなのです。