聖書の学び

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Ⅰ列王記10:22(2023/12/29)

【10:22】
『王は海に、ヒラムの船団のほか、タルシシュの船団を持っており、三年に一度、タルシシュの船団が金、銀、象牙、さる、くじゃくを運んで来たからである。』
 先に見た通り、ソロモンには『ヒラムの船団』がありました。これはヒラムの船員とソロモンの船員から成る同盟船団です。ソロモンはこれ以外にも『タルシシュの船団』を持っていました。この名前は、タルシシュに行く目的を持つ船団だったという意味でしょう。旧約聖書においてこの『タルシシュ』はよく出てくる言葉です。この『タルシシュの船団』は『三年に一度』、ソロモンに価値ある物を運び込んでいました。どうして『三年に一度』の頻度だったのでしょうか。これについては詳しく分かりません。3年ごとに1度だけ行けば十分だったのでしょうか。あまりに多く行って資源が無くなってしまわないためでしょうか。タルシシュで3年分を費やして得た収穫を一挙に持ち運んでいたのでしょうか。いずれにせよ、私たちはこの船団が『三年に一度』ソロモンに獲得物を齎したとだけ知っていれば問題ありません。ここではタルシシュの船団が運んだ物が5つ書かれています。ここでの「5」には数字的な象徴性がありません。タルシシュの船団は『金』をソロモンに持ち運んでいました。先に見た通り、ソロモンは既に666タラントの金を得ていました。666タラントの金に加え、ソロモンには3年ごとに更なる金が増やされていました。タルシシュの船団が齎す以外の方法でもソロモンは金を得ていた可能性はあります。ですから、ソロモンが666タラント以上の金を所有していたことは間違いありません。先の箇所ではただ1年間にソロモンの得た金が666タラントだったと言われていただけなのです。タルシシュの船団は『銀』もソロモンに運んでいましたが、既に見たように銀はソロモン時代において価値高くありませんでした。しかしソロモンが銀を使わなくても、イスラエルでは銀が使われていたはずです。現代でもアルミはあまり価値がないものの、一般的によく使われています。銀はイスラエル社会にとって必要な物質だったはずです。タルシシュの船団は『象牙』をも運んでいました。この象牙における量や使用用途は詳しく分かりません。『さる、くじゃく』は何のために運び込まれたのでしょうか。金になるからでしょうか、贈り物として使えるからでしょうか、観賞用や娯楽などのためでしょうか。『さる、くじゃく』が運び込まれた目的については詳しく分かりません。またその数や質の良し悪しなども詳しく分かりません。ただ次のことは確かに分かります。すなわち、ソロモン時代のイスラエル人は『さる、くじゃく』を見ており見ていないイスラエル人もその存在について多かれ少なかれ知っていたということです。