聖書の学び

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Ⅰ列王記11:14~17(2024/01/13)

【11:14】
『こうして、主は、ソロモンに敵対する者としてエドム人のハダデを起こされた。』
 ソロモンが酷い罪に陥ったので、神は報いとして『エドム人のハダデ』という敵をソロモンに対して起こされました。これはソロモンに思い知らせるためです。罪を犯すならば敵に苦しめられると律法で定められているからです。ここではソロモンが罪に陥った出来事が書き記されてから、『こうして』ハダデが敵対者として起こされたと書かれています。つまり、もしソロモンが罪を犯していなければ、こういった敵対者も起こされていなかったということです。このハダデはソロモンへの刑罰そのものだったと考えていいでしょう。このように罪を犯すならば、神により敵が起こされることとなります。そして、その敵対者により苦しめられるのです。しかし、どのような敵が起こされるかまで私たちには分かりません。神は御心のままに敵対者を起こされるからです。ソロモンの場合と同じで、外国人が敵対者として起こされることもあるでしょう。ダビデに対するアブシャロムのように身内の者が敵として起こされる場合もあるでしょう。このような敵対者による苦しみを避けたければ罪から遠ざかるべきです。聖書が教えるように『命令を守る者はわざわいを知らない』のですから。

 

【11:14~17】
『彼はエドムの王の子孫であった。ダビデがかつてエドムにいたころ、将軍ヨアブが戦死者を葬りに上って来て、エドムの男子をみな打ち殺したことがあった。―ヨアブは全イスラエルとともに六か月の間、そこにとどまり、エドムの男子をみな断ち滅ぼした。―しかしそのとき、ハダデは、彼の父のしもべの数人のエドム人と逃げ去ってエジプトへ行った。当時、ハダデは少年であった。』
 ハダデの詳細について書き記されています。ここで言われている通り、かつてヨアブはエドムでエドム人の男子を全て断ち滅ぼしていました。エドムとは、イスラエルを南に越えた場所の国であり、モアブ国の南にあります。ヨアブは『六か月』かけて全てエドム人を殺しました。これは「6」ですから、恐らくヨアブの虐殺行為が正しくなかったことを示しているのかもしれません。その時に逃げて生き延びたのがこのハダデでした。ハダデがヨアブの剣から逃れた時はまだ『少年』でした。その時におけるハダデの年齢はここで詳しく記されていません。その時にハダデは『父のしもべの数人のエドム人と逃げ去』りました。どのような戦いや虐殺であっても、いつも少しぐらいは生き延びて死を免れる者がいるものです。ハダデと逃げ去った『しもべ』が実際にどれぐらいいたかは詳しく分かりません。このハダデは逃げてから『エジプトへ行った』のですが、どうしてエジプトへ逃れたのでしょうか。それはエジプトであれば保護してくれる可能性があると多かれ少なかれ思ったからなのでしょう。しかし、どうしてそのようにエジプトを頼ったのでしょうか。それはかつてエジプトがイスラエル人を奴隷として取り扱っていた国だったからかもしれません。そのような国であればヨアブをはじめとしたイスラエル人から守ってくれると考えるのは、別に何もおかしいと思えません。