聖書の学び

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Ⅰ列王記11:1(2024/01/04)

【11:1】
『ソロモン王は、パロの娘のほかに多くの外国の女、すなわちモアブ人の女、アモン人の女、エドム人の女、シドン人の女、ヘテ人の女を愛した。』
 ソロモンは、もう既に『パロの娘』というエジプト人の異邦女を娶っていました。ソロモンはこのエジプト女『のほかに多くの外国の女、すなわちモアブ人の女、アモン人の女、エドム人の女、シドン人の女、ヘテ人の女を愛し』ました。『愛した』とは、つまり妻として娶ったことです。何故なら、愛するからこそ娶るのであり、娶っているのであれば愛しているからです。ここで挙げられているのは、『パロの娘』を含めれば全部で6種類の女たちです。『多くの外国の女』とは具体的な種類でありませんから、種類としてカウントされません。ここで6種類の女が挙げられているのは意味を持っています。「6」は不完全性を示すのですから、ここではソロモンの外国女における一夫多妻が正しくないとされているのです。これは続く箇所を見ても明らかなことです。『モアブ人の女、アモン人の女』は不義によって生まれた者の子孫です。彼らはイスラエルと民族的な親戚ですが、異邦人です。『エドム人の女』はエドムすなわちエサウの子孫である女です。エドム人イスラエルの民族的な兄になりますが、しかし彼らも異邦人です。『シドン人の女』もやはり異邦人です。この『シドン』はイスラエルを北に越えた場所であり、そこは地中海に面しています。『ヘテ人の女』もやはり異邦人です。彼らは聖絶すべき民族として定められていた民族の一つでした。ソロモンがこのような異邦人を多く妻として持っていたのは、イスラエル社会にとって周知の事実だったと思われます。というのも多くの異邦人を妻として娶っていながら、それを隠し通すことは決してできなかったはずだからです。どの国でも王の一夫多妻は秘密にされていないのが普通でした。