聖書の学び

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Ⅰ列王記9:26~27(2023/12/13)

【9:26】
『また、ソロモン王は、エドムの地の葦の海の岸辺にあるエラテに近いエツヨン・ゲベルに船団を設けた。』
 ソロモンは『船団』をも設けました。もう既にサウルかダビデイスラエルで船団を設けていたかどうかは分かりません。もしまだ設けていなければ、ソロモンがイスラエルで初めて船団を設けたのです。もし既に設けられていたとすれば、ここで書かれているのはソロモンが新しく設けた船団のことです。ソロモンは多くの富を持っていましたから、余裕で船団を設けることができたと思われます。またその船団を豪華にすることもできたでしょう。ソロモン自身が伝道者の書で言ったように、『金銭は全ての必要に応じる』のですから。ソロモンの設けたこの船団がどれぐらいの規模だったかは分かりません。ただ決して小さくはなかったと思われます。この船団は『エラテに近いエツヨン・ゲベル』に設けられました。そこは『葦の海』すなわち紅海の『岸辺』に位置する場所です。そこはエルサレムからかなり南に離れています。エルサレムからそこに行くだけでも大変だったでしょう。

 

【9:27】
『この船団に、ヒラムは自分のしもべであり、海に詳しい水夫たちを、ソロモンのしもべたちといっしょに送り込んだ。』
 ヒラムのいたツロは地中海に面していましたから、そこには『海に詳しい水夫たち』がいました。海に面している度合いが大きい国であるほど、海に卓越した人物も多くいるものです。イスラエルも西側は多くの場所が地中海に面していましたが、しかしその多くは郊外と呼べるような場所ばかりでした。一方、地中海に面しているツロはヒラム王のいた都です。ですから、海のことではイスラエルよりツロのほうが優れていたことでしょう。だからこそ、ヒラムは『海に詳しい水夫たち』をソロモンの船団に協力させたわけです。これはソロモンの船団が、優れた海の人材を必要としていたということです。であれば、やはり海に巧みな人はイスラエルよりツロのほうが多くいたのでしょう。先に見た通り、ヒラムはソロモンから受けたカブルの地に満足していませんでした。しかし、ここでヒラムが水夫たちをソロモンの船団に送り込んでいることから分かる通り、ソロモンが与えた土地のことで両者の関係は悪化していなかったようです。というのも、もし関係が悪化していたとすれば、このようにヒラムがソロモンのため協力することは恐らくなかっただろうからです。こうしてヒラムの僕とソロモンの僕は協同することとなりました。トップの仲が良ければ、往々にしてその下にいる者たちも交わるものなのです。何故なら、トップとその下にいる者たちは一体であり繋がっているからです。