聖書の学び

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Ⅰ列王記8:52~53(2023/11/15)

【8:52~53】
『どうか、あなたのしもべの願いと、あなたの民イスラエルの願いとに、御目を開き、彼らがあなたに叫び求めるとき、いつも彼らの願いを聞き入れてください。あなたが彼らを地上のすべての国々の民から区別してご自身のものとされたのです。神、主よ。あなたが私たちの先祖をエジプトから連れ出されたとき、あなたのしもべモーセを通して告げられたとおりです。」』
 ここで『しもべ』と言われているのはソロモンであり、『あなたの民イスラエル』と言われているのは民衆の全体です。彼らはこれからもずっと神に祈りを捧げます。その祈りに対し神が『御目を開』いて下さるよう、ソロモンはここで願い求めています。神が『御目を開』かれるとは、つまりイスラエルの祈りを無視されないという意味です。何故なら、逆に御目を閉じられるというのは、神がイスラエルの祈りを無視されることだからです。イスラエルはこれからの時代において、神に『叫び求める』でしょう。叫ぶというのは、心から強く願うことです。何故なら、強い願いが心にある時、人は叫ぶものだからです。神はそのような叫びを『聞き入れてください』ます。子どもが何か切に願うとすれば、その願いが正しい限りにおいて、親は聞き入れてあげるものでしょう。神がイスラエルの叫びを聞き入れて下さるのは、これとよく似ています。

 

 ここで言われている通り、イスラエルは諸民族の中から神に選び取られた民族でした。イスラエルの他に例外はありませんでした。ただイスラエルだけが神から区別された特別な民だったのです。イスラエル以外の異邦人たちは、どれも神から見放され捨てられた状態にありました。ですから、古代において異邦の民族が神の民と呼ばれることは決してありませんでした。このようにイスラエルだけが古代で特別な選民だったのですから、ソロモンはそのような民の祈りを神が無視されないようにと願うわけです。実際に神は古代イスラエルの祈りに御耳を傾けておられました。もっとも、古代イスラエル人はたびたび罪に陥っていましたから、その罪が妨げとなり、神に祈りを聞いていただけない場合も多くあったのではありますが。

 

 神がこのようにイスラエルを特別に選び分けられたということは、『あなたが私たちの先祖をエジプトから連れ出されたとき、あなたのしもべモーセを通して告げられたとおりで』した。ソロモンはこのように以前に告げられた事柄を想起することで、イスラエルについての真実を確認しているのです。このようにしてイスラエルの全集団は、神が自分たちの捧げる祈りを聞き入れて下さるのだと強く感じたわけです。