聖書の学び

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Ⅰ列王記16:31~33(2024/05/01)

【16:31】
『それどころか彼は、シドン人の王エテバアルの娘イゼベルを妻にめとり、行ってバアルに仕え、それを拝んだ。』
 アハブはヤロブアムの罪を容易く行なっていただけでなく、『シドン人の王エテバアルの娘イゼベルを妻にめとり』ました。『シドン』とはイスラエルを北に越えた地域であり、そこはフェニキア人の国でした。当然ながら、そこには偶像崇拝者である異邦人が住んでいました。『シドン人の王エテバアル』もその『娘イゼベル』も、バアル崇拝者でした。神はこういった偶像崇拝者の異邦人をユダヤ人が娶らないように禁じておられました。何故なら、もし娶れば、その妻がユダヤ人を偶像崇拝に引き込むからです。それにもかかわらず、アハブは異邦人の娘を妻に娶ったのです。これはアハブの大きな罪でした。アハブは異邦人を妻にしたので、やはりその妻を通して偶像崇拝に引き込まれました。すなわち、アハブは妻の国であるシドンへと『行ってバアルに仕え、それを拝んだ』のです。こうならないため、神はユダヤ人が異邦人を娶らないように禁じられたのです。このように他国までわざわざ偶像崇拝のため行く王は、恐らくアハブが最初だったはずです。それまでのユダヤ王は偶像崇拝をしても国内におり、他国まで出向くことはしていなかったと思われます。この『バアル』という腐った忌まわしい偶像は、この地域における代表的な空想神の一つです。『バアル』は<人間>という意味です。このため、バアルという偶像は人間の姿をしていました。今でもバアル像が歴史を記録する意味で残されています。それを見ると、確かにバアルは人間の形であることが分かります。

 

【16:32】
『さらに彼は、サマリヤに建てたバアルの宮に、バアルのために祭壇を築いた。』
 アハブはシドンまでバアル崇拝をしに行っただけでなく、自国内のサマリヤに『バアルの宮』を建てることさえしました。その宮には『バアルのために祭壇』が築かれました。このようにしてイスラエル王国にはバアル崇拝が持ち込まれたのです。これはとんでもないことでした。ですから、アハブは極みまで最悪に罪深い王だったことが分かります。

 

【16:33】
『アハブはアシェラ像も造った。』
 アハブはバアルの宮と祭壇を備えただけでなく、『アシェラ像も造』りました。この『アシェラ』も、この地方で拝まれていた代表的な空想神すなわち存在しない偽りの神々の一つです。このようにアハブは神の御前でますます罪を積み重ねました。バアルのことだけでも最悪なのに、アハブはアシェラにおいても最悪なことをしたのです。これは原爆投下が1回だけでも極めて悲惨なのに、もう1回投下されるような悲惨さです。何故なら、こういった偶像のゆえイスラエル王国は破滅したからです。日本も偶像崇拝のため、原爆投下により破滅の刑罰を受けたのです。