聖書の学び

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Ⅰ列王記17:15~18(2024/05/09)

【17:15~16】
『彼女は行って、エリヤのことばのとおりにした。彼女と彼、および彼女の家族も、長い間それを食べた。エリヤを通して言われた主のことばのとおり、かめの粉は尽きず、つぼの油はなくならなかった。』
 エリヤから神の御言葉を聞いた女は、『行って、エリヤのことばのとおりにし』ました。彼女は神の御言葉が真実であると信じたからです。もし信じていなければ、エリヤが言った通しにしてはいなかったことでしょう。信仰は行為において表出されるからです。女はエリヤの言った通りにするよう、神から定めれていました。それは神がこの女にエリヤを養うよう決めておられたからです。それからは神が言われた通り、『かめの粉は尽きず、つぼの油はなくな』らなくなりました。神がどのようにして粉と油を尽きないようにされたかは詳しく書かれていません。取ってからすぐに補充されたのかもしれませんし、かなり取ってから補充された可能性もあります。いずれにせよ、私たちは粉と油を神が尽きないようにされたと知っていればそれで十分です。こうしてエリヤと女および女の家族は、『長い間それを食べ』ました。このようにして女は神が言われた通り、エリヤを養うようにしたのです。女は子どもと共にもう死ぬ状況にまで陥っていました。しかし、女はこの通り、生き、神に用いられたのでした。エリヤたちが粉と油による調理品を食べていたのは、『長い間』でした。これは露と雨が降らなくなってから二、三年間以内です。何故なら、神は先に『主が地の上に雨を降らせる日までは、そのかめの粉は尽きず、そのつぼの油はなくならない。』と言われたからです。エリヤはかつて、露も雨も降らない期間が『ここ二、三年の間』であると言っていたのです。しかし、その年月が実際にどのぐらいだったかまでは分かりません。

 

【17:17】
『これらのことがあって後、この家の主婦の息子が病気になった。その子の病気は非常に重くなり、ついに息を引き取った。』
 しばらく経つと、エリヤを養っていた女の息子が『病気にな』り、『息を引き取』ります。その病気は致命的な病気でしたが、具体的な病名については分かりません。この子が死んだ年齢についても分かりません。この子は普通の意味で死んだのではありません。後の箇所から分かる通り、その死は、エリヤを通して語られた神の御言葉の真実性が女に知らされるためでした。つまり、息子が死んだのは神による特別な働きかけの死でした。もし女に悟らせるという目的が無ければ、恐らくこの息子は死んでいなかったはずです。

 

【17:18】
『彼女はエリヤに言った。「神の人よ。あなたはいったい私にどうしようとなさるのですか。あなたは私の罪を思い知らせ、私の息子を死なせるために来られたのですか。」』
 女は自分の息子が死んだので、エリヤに不満をぶつけます。ここで女が言っていることから分かる通り、女は自分の『罪』により息子が死んだと思っていました。つまり、女の罪により女の息子が罰せられたということです。しかし、女はもしエリヤが来なければ、このような死を息子は味わわずによかったとも感じました。このため、女はエリヤが息子を死なせるために来たとしか思えませんでした。ですから、女はエリヤを非難せずにいられなかったわけです。女はこの時点でまだ息子が死んだ理由を何も知りませんでした。

 

 女がここでエリヤを『神の人』と呼んでいるのは本当のことでした。モーセも同じように『神の人』であると聖書は書いています。この『神の人』については、もう既に見た通りです。この『神の人』と呼ばれる人は聖書でそこまで多くありません。