聖書の学び

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Ⅰ列王記3:28~4:1(2023/07/28)

【3:28】
イスラエル人はみな、王が下したさばきを聞いて、王を恐れた。神の知恵が彼のうちにあって、さばきをするのを見たからである。』
 このようにしてソロモンに与えられた神の知恵が、公に示されました。それはイスラエル全体で知られることになりました。ただ個人だけとか少人数とかいうのではなかったのです。これはソロモンが正しく巧みな統治のために優れた知恵を求めたのだからです。つまり、ソロモンは公のためにこそ知恵を願いました。ですから、神はその知恵が与えられたことを、公に対して示されたのです。神はこのように御自分が与えた特別な賜物を、公に知らせる御方です。それは神の御恵みと御力とが明らかになるためなのです。神はモーセにおいてもそのようになさいました。こうして人々はソロモンにおいて神の知恵を見たので、ソロモンを恐れました。神はソロモンに強大な支配力を与えただけでなく、凄まじい知恵をも与えて下さったのです。であれば、ソロモンが恐れられたのは自然なことだったはずです。このように王を恐れるのは罪となりません。寧ろ、それは神の御心に適っています。何故なら、パウロは『恐れなければならない人を恐れ』(ローマ13章7節)なさいと命じているからです。ソロモンのような王が『恐れなければならない人』であるのは明らかです。このようにして示された知恵は、ただ神の御恵みによりました。その知恵はソロモンの知恵というより『神の知恵』と言うべきものです。ですから、もし神が恵んでおられなければ、ソロモンはここまでの知恵を持てていなかったでしょう。

 

【4:1】
『こうして、ソロモン王は全イスラエルの王となった。』
 このようにしてソロモンは『全イスラエルの王』として神から立てられました。『全イスラエル』と書かれているのは、つまりユダ部族だけとか幾つかの部族だけとかではないということです。しかし、ソロモン以降の時代になると、長らく全イスラエルを支配する王は現われなくなってしまいます。このソロモンはイスラエルの王として3代目ですが、多くの場合、3代目において確立や不動化が達成されるものです。ソロモンの場合もやはりそうでしたし、イスラエル人もそうだったと言えます。何故なら、ユダヤ人を構成する諸部族は3代目であるイスラエルから出て来たのだからです。