聖書の学び

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Ⅰ列王記4:26(2023/08/05)

【4:26】
『ソロモンは戦車用の馬のための馬屋四万、騎兵一万二千を持っていた。』
 ソロモンは王でしたから当然ながら自分の軍と兵士たちを持っていました。それはソロモンの所有する国軍です。この時代のイスラエルは最強国家でしたから、その兵士たちも非常に強かったはずです。このように軍を持つのは悪くありませんでした。ダビデも軍を持っていたからです。古代において騎兵は最強の兵士でした。通常、古代の王はこの騎兵に囲まれ守られていたのです。ソロモンはこの『騎兵』を『一万二千』も持っていました。このような多くの騎兵は大きな力だったでしょう。この『一万二千』という数字には「12」が含まれています。ですから、この数は騎兵が選び抜かれた精鋭たちだったことを示しているかもしれません。ここで『馬屋』は『四万』あったと書かれていますが、Ⅱ歴代誌9:25の箇所では『四千』と書かれています。馬屋の数が四万でもあり四千でもあったというのは、ありえないことです。四万か四千か、どちらかが正しいのです。正しいのはⅡ歴代誌の『四千』でしょう。というのも馬屋が四万もあったというのは考えにくいからです。恐らく、私たちが今見ているこの箇所の原文は、Ⅱ歴代誌と同じで『四千』だったはずです。しかし、筆写されていく途中で、ある誰かが四千を四万と書き写してしまったのだと思われます。そして、その誤写が真正な原文であるかのように広まったのだと考えられます。Ⅱ歴代誌のほうでは、ソロモンの持つ戦車が4000だったと書かれています。一台の戦車を2頭の馬で牽くとして、騎兵における馬が1万2000でしたから、一つの馬屋に平均して5頭の馬がいたことになります。もし3頭の馬で戦車を牽いていたとすれば、一つの馬屋には平均で6頭の馬がいたことになります。