聖書の学び

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Ⅰ列王記11:39~40(2024/01/23)

【11:39】
『このために、わたしはダビデの子孫を苦しめる。しかし、それを永久に続けはしない。』」』
 ソロモンは、自分の犯した罪のため、自分だけでなく、その子孫まで呪われることとなりました。神はこの通り、子孫にまで呪いを継続させる御方です。罪を犯して堕落したその人だけが悲惨になるというのではないのです。これは神が罪に対しどれだけ怒っておられるか御示しになるためなのです。もし呪いが1代だけで止んだとすれば、神の御怒りがあまり示されなくなるでしょう。いや、そもそも1代だけで止む呪いであれば、神はそこまで大きな怒りを持っておられなかったのです。ソロモンの場合、その子孫にまで呪いが言わば貫通することとなりました。これはソロモンの犯した罪が極めて大きく、そのため神のソロモンに対する怒りも極めて大きかったからです。しかし、神はその呪いを『永久に続けはしない』と言われます。つまり、ソロモンの呪いは子孫において止みます。これは神が愛の御方であられるからです。神は憐れみに傾く御方なのです。神は御恵みを子孫にまで長く注がれますが、呪いはそこまで長く注がれ続けることがありません。それは神がこう言われた通りです。『あなたの神、主であるわたしは、ねたむ神、わたしを憎む者には、父の咎を子に報い、三代、四代にまで及ぼし、わたしを愛し、わたしの命令を守る者には、恵みを千代にまで施すからである。』(申命記5章9~10節)私たちも堕落するならば、私たちだけでなく、その子孫にまで悲惨な報いが注がれてしまいます。私たちだけに呪いは限定されないのです。私たちだけが報いを受けるというのでも悲惨です。そのうえ更に子孫まで神から報いを受けるのであれば、どれだけ大きな悲惨があるでしょうか。ですから、私たちは自分自身と子孫のことを考え、決してソロモンのように堕落しないよう注意すべきなのです。ここまでがヤロブアムに与えられた神からの預言でした。神はこの通り、ヤロブアムをこれから王となるよう召されます。ヤロブアムがイスラエルの王になるのは全く合法だったのです。

 

【11:40】
『ソロモンはヤロブアムを殺そうとしたが、ヤロブアムは立ち去り、エジプトにのがれ、エジプトの王子シシャクのもとに行き、ソロモンが死ぬまでエジプトにいた。』
 ヤロブアムがソロモンに逆らったのですから、『ソロモンはヤロブアムを殺そうとし』ました。そうしなければソロモンの王位はヤロブアムにより危うくなるからです。この時にソロモンはヤロブアムの反逆に対し死刑を下そうとしたわけです。たとえソロモンがヤロブアムを殺したとしても、それは王が反逆者に対し死刑を下したことですから、罪に定められることは無かったと思われます。しかし、ヤロブアムはエジプト王シシャクのもとに逃れ、そこでシシャクから保護を受けることになります。こうすればヤロブアムはソロモンに殺されることがありません。何故なら、ソロモンはエジプト王と関係を持っていましたから、ヤロブアムの逃れたエジプトにおいて手荒なことは出来なかったはずだからです。こうしてヤロブアムは『ソロモンが死ぬまでエジプトにい』ました。つまり、ヤロブアムは亡命したわけです。イスラエルの国にいれば、ソロモンによる危険がありますから、ヤロブアムはどうしてもエジプト王シシャクの支配下にいる必要がありました。神がソロモンにヤロブアムの殺害を許されなかったのです。何故なら、ヤロブアムがソロモンへの敵対者として起こされたのは、堕落したソロモンに対する神からの報いだったからです。