聖書の学び

聖書の学び

Ⅰ列王記6:19(2023/09/01)

【6:19】
『それから、彼は神殿内部の奥に内堂を設け、そこに主の契約の箱を置くことにした。』
 『それから』と書かれています。つまり、ソロモンが『神殿内部の奥に内堂を設け』たのは、その前にある聖所が設けられてからでした。聖所のほうが先に設けられました。これは至聖所のほうが聖所よりも重要だったからなのでしょう。人間も被造物の中で最大に重要だったので、もっとも後で創造されたのです。この至聖所は宮の奥に設けられましたが、これはどうしてだったのでしょうか。これは神が闇の中に隠れられる御方だからなのでしょう。至聖所は聖所から隠れて見えなくされているので、神のおられる場所としてちょうど良いわけです。もし至聖所のほうが聖所よりも前に設けられていたら、とんでもないことになっていたでしょう。宮に入ったらいきなり至聖所であるというのは、正にカオスなことです。これは顔の前面と後ろが逆になっているのも同然です。先に見た通り、この至聖所には大祭司しか入ることができませんでした。王でさえ至聖所には入ることが許されません。しかしながら、至聖所の工事がされている時期はまた別の話です。その時期であれば、工事する者や指揮官またソロモン王も至聖所となる場所にいることができたでしょう。というのも、工事中から既にいてはならないとすれば、どうやって至聖所を設けるというのでしょうか。ソロモンはこの至聖所に『主の契約の箱を置くことにし』ました。神はこの『契約の箱』のところにおられました。すなわち、神は先にも見た通り全宇宙のどこにでもおられるのですが、この箱に強く臨在しておられたので、人間的に見ればこの箱の場所にこそおられたと言われるのです。ですから、宮にあるこの至聖所こそ、古代において神がおられる場所でした。この神は全てに優って重要な存在であられます。その神がこの箱におられたのです。ですから、神の箱は計り知れない重要性を持っていたことが分かります。このため、神の箱が置かれた宮とその至聖所は、古代において間違いなく地球上でもっとも重要な場所でした。神のおられる場所よりも重要だと言える場所がいったいどこにあるでしょうか。ところで、ここで書かれている『主の契約の箱』が今はどうなっているのか、まだ存在していればそれはどこにあるのか、などと疑問に感じる人もいるかもしれません。この事柄については、話が横道に逸れてしまいますから、また別の機会に取り扱ったほうがいいでしょう。