聖書の学び

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Ⅰ列王記7:7~8(2023/09/15)

【7:7】
『彼はまた、さばきをするための王座の広間、さばきの広間を造り、床の隅々から天井まで杉材を張りつめた。』
 ソロモンは『さばきの広間』すなわち『王座の広間』をも造りました。この広間は先に見た柱の広間のすぐ右に隣接しており、左にはソロモン王宮が建っていました。この王座の広間は、主の神殿およびレバノン宮殿とは隣り合っていません。またこの広間は隣にある柱の広間より大きなサイズでした。この広間はその名が示す通り、『さばきをするための』『広間』でした。私たちは先の箇所で、ソロモンが裁きをしている出来事を見ました。もう述べたことですが、古代において王は裁判官でした。ですから、ソロモンはここを裁判所として裁いていたのです。先に見た2人の遊女に対する裁判が行なわれた際は、まだこの『さばきの広間』が造られていませんでした。あの裁判は別の場所で行なわれたのです。ソロモンはこの広間で裁判をしていましたが、この広間にはそれまで処理できなかった難しい事案だけが持ち運ばれたはずです。下位の裁き司が取り扱えなかった事案は徐々に上位の裁き司へと持ち運ばれる。このような裁判方式がイスラエルのやり方でした。今の日本でも同じ方式が採用されています。もしあらゆる事案がソロモンのもとに持ち運ばれていたとすれば、ソロモンは悲惨な状態になっていたでしょう。この広間にソロモンは『床の隅々から天井まで杉材を張りつめ』ました。この広間で使われた『杉材』もやはりレバノンから調達されていたのでしょう。

 

【7:8】
『彼の住む家は、その広間のうしろの庭にあり、同じ造作であった。』
 ソロモンの『住む家』は、先に見た『王座の広間』『のうしろの庭にあり』、それは『王座の広間』と『同じ造作』でした。つまり、そこはソロモンが職務と生活をスムーズに切り替えられるような作りでした。それというのも王とは、その職務と生活が一体化している存在だからです。大統領や首相も、やはりその通りです。国家の支配者は、その職務が生活そのものとなっており、生活は全く職務の流れに呑み込まれ職務と一体化してしまいます。それゆえ、このように家と職務の場所が隣り合っているのは、合理的で多くの益となります。