聖書の学び

聖書の学び

Ⅰ列王記7:12~14(2023/09/18)

【7:12】
『大庭の周囲には、三段の切り石と一段の杉角材とが使われ、主の宮の内庭や、神殿の玄関広間と同じであった。』
 宮の『大庭』は『三段の切り石と一段の杉角材』で仕切られていました。これらもやはり巧みに切り揃えられた高価な石材と杉材だったでしょう。また、それらは卓越した職人により加工されていたでしょう。『主の宮の内庭や神殿の玄関広間』も、このような作りでした。このような段差により、そこは周囲の場所としっかり区別されていました。このような区別は重要でした。何故なら、そうすることによりはっきりした把握が生じるからです。そうしなければ区別が曖昧となり、カオスな状態となり、困ることにもなります。主の宮にそういった状態が生じるべきではありませんでした。何故なら、聖なる場所にそのような状態は相応しくないからです。

 

【7:13~14】
『ソロモン王は人をやって、ツロからヒラムを呼んで来た。彼はナフタリ族のやもめの子であった。彼の父はツロの人で、青銅の細工師であった。それでヒラムは青銅の細工物全般に関する知恵と、英知と、知識とに満ちていた。彼はソロモン王のもとにやって来て、そのいっさいの細工を行なった。』
 ソロモンは工事の際、『ツロからヒラムを呼んで来』ました。これを先に見たツロの王ヒラムと混同しないようにすべきです。先に見たヒラムはツロの王でしたが、こちらのほうは一般人のヒラムであり、両者は別々の人間です。このヒラムは『ナフタリ族のやもめの子』でしたから、母はナフタリ族でした。父のほうは『ツロの人』でしたから、恐らくアシェル族だったと考えられます。イスラエル人は同じ部族同士で結婚すべきだったのですが。ヒラムの母は何らかの理由により『やもめ』となっていました。このヒラムの父は『青銅の細工師』でした。ヒラムも父と同じ青銅を取り扱う細工師となりました。ヒラムは父が神から受けていた青銅細工に関する賜物を受け継ぎました。ですから、『ヒラムは青銅の細工物全般に関する知恵と、英知と、知識とに満ちてい』ました。『知恵』とは青銅の分野に関する高い知性のことであり、『英知』とは実行力の伴った実益を生じさせる知恵のことであり、『知識』とは青銅に関する情報の総体のことです。このヒラムは青銅の細工師として優れており名高かったのかもしれません。ですから、ソロモンは青銅に関する仕事を行なわせるため、このヒラムをツロから呼び寄せたのです。このため、ヒラム『はソロモン王のもとにやって来て、そのいっさいの細工を行なった』のでした。この場合もそうでしたが、ソロモンのような知恵ある者は、どこに誰をどのようにして呼び寄せて使えばいいのか完全に弁えられるものなのです。