聖書の学び

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Ⅰ列王記7:8(続き)~9(2023/09/16)

【7:8】
『また、ソロモンは、彼がめとったパロの娘のためにも、この広間と同じような家を建てた。』
 先に見たように、ソロモンは『パロの娘』を妻として娶りましたが、ソロモンはこの妻のためにも自分の家と同じような家を作り与えました。ソロモンが自分の家と同じような家を与えたのは、パロの娘を妻として尊んでいた証拠なのでしょう。しかし、どうしてソロモンは妻のために別の家を建てたのでしょうか。Ⅱ歴代誌8:11の箇所によれば、それはパロの妻が聖なる箱を迎え入れたダビデの家に住むべきでなかったからです。異邦人であるエジプト女が、聖なる住まいに住むというのは許されません。ソロモンはこのことをよく弁えていました。ですから、ソロモンは自分の住まいを妻の住まいと別にしたのです。ソロモンがこのように判断し行なったのは正しいことでした。もっとも、そもそもソロモンは異邦人であるエジプト女を妻として娶るべきではありませんでした。ソロモンは神の民でしたから、同じ神の民である女を妻にすべきだったのです。たとえ相手がパロの娘という高貴な女であったにしても、ソロモンがそのような女を娶ったのは御心に適いませんでした。しかし、ソロモンは妻がパロの娘である以上、このように配慮せざるを得なかったのでしょう。その妻は大国エジプトを支配するパロの娘なのです。そのような妻を軽んじるならば、色々な意味で「まずい」ことになるのです。

 

【7:9】
『これらはすべて、内側も外側も、寸法どおりにのこぎりで切りそろえた切り石、高価な石で造られていた。礎から頂上に至るまで、さらに外庭から大庭に至るまでそうであった。』
 ここまでに示された建造物は、どれも『寸法どおりにのこぎりで切りそろえた切り石』により造られていました。神と王に関わる建造物は、完全な精確性が求められるからです。それらの石は卓越した職人が熟練と集中の業により加工していたに違いありません。またそれらはどれも『高価な石』でした。神の宮と王に関わる建造物ですから、最高級の石を使う必要がありました。もし高価でない石を使うならば、それはそれらの建造物に相応しくありませんでした。石が精密に切り揃えられ高価であったのは、『礎から頂上に至るまで、さらに外庭から大庭に至るまでそうで』した。つまり、それらの建造物は全てが全てにおいて徹底されていました。これはそれらが非常に重要な建造物だったからです。