聖書の学び

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Ⅰ列王記10:26(2024/01/01)

【10:26】
『ソロモンは戦車と騎兵を集めたが、戦車一千四百台、騎兵一万二千人が彼のもとに集まった。そこで、彼はこれらを戦車の町々に配置し、また、エルサレムの王のもとにも置いた。』
 ソロモンは戦力を強化させました。すなわち、『戦車と騎兵を集めた』のです。『戦車』とは、車を複数の馬に率いさせて走る戦争兵器です。馬に牽かれている車に乗る兵士たちが、そこから弓や投石や投げ槍などによって敵を攻撃するわけです。『騎兵』とは馬に乗る重装兵士です。古代の軍隊においてこの『騎兵』は最強の兵士であり、王の護衛もこの『騎兵』が担当していました。この2つはどちらも馬を使います。ソロモンに贈り物として贈られた馬は(Ⅰ列王記10:25)、この『戦車と騎兵』のために多かれ少なかれ使われたと考えられます。また、この2つの存在が武器を必要とするのは言うまでもありません。これも先に見たソロモンへの贈り物が多かれ少なかれ使われたかもしれません。ソロモンの集めた戦車は『一千四百台』でした。これはかなりの数です。この「1400」という数字に何か象徴的な意味はあるでしょうか。「14」かける「100」に分解すべきでしょうか。これは「14」であれば意味が分かるものの、「100」のほうは何を示しているのか分かりません。では「70」かける「20」に分解すべきでしょうか。これも「70」であれば象徴性があるものの、「20」のほうは意味が分かりません。「7」かける「200」ならばどうでしょうか。これもやはり「7」は意味が分かるものの、「200」は不明です。このようですから、この「1400」という数字は恐らく何の象徴性も含んでいないはずです。『騎兵』は『一万二千人』が集まりました。これも多くの数です。この「1万2000」という数字には意味が含まれているでしょうか。これに意味があることは間違いありません。これは「12」かける「1000」に分解されます。つまり、この時には選り抜きの強者である騎兵たちがほとんど無敵と思えるほど無数に集まったということを、この数字は示しています。ソロモンはこの2つを『戦車の町々に配置』しました。この町々については既に見た通りです(Ⅰ列王記9:19)。『戦車一千四百台、騎兵一万二千人』が集まったのですから、この町々はかなり大きい規模だったと思われます。ソロモンはこの2つを『エルサレムの王のもとにも置』きました。これはエルサレムイスラエルの首都であり中枢だからです。このエルサレムが陥落でもすればイスラエルは悲惨になってしまいます。よってエルサレムにソロモンは戦闘軍団を設置したわけです。このようにソロモンが戦力を強化したのは正しい行為だったのでしょうか。私がこう言うのは、律法では王が自己の戦力強化に向かうことを禁じているからです。『王は、自分のために決して馬を多くふやしてはならない。』(申命記17章16節)と書かれている通りです。ソロモンが戦力を強めたのは666タラントの金を得てからの話です。既に見た通り、この収益はソロモンがそれ以降に堕落することの予兆でした。ですから、ソロモンの心は神を忘れて罪に暴走していた可能性があります。もし律法で自己を制御していたとすれば、ソロモンは恐らくこのように戦力を強めていなかったかもしれません。