聖書の学び

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Ⅰ列王記9:15(2023/12/06)

【9:15】
『ソロモン王は役務者を徴用して次のような事業をした。彼は主の宮と、自分の宮殿、ミロと、エルサレムの城壁、ハツォルとメギドとゲゼルを建設した。』
 ソロモンは、その生涯において多くの事業を行ないました。そのため、彼は『役務者を徴用』しました。働く人数が少なければ事業をするのは難しいからです。ソロモンが多くの事業をしたことは、伝道者の書からも分かります。『主の宮』については、これまでに詳しく見た通りです。宮の建設は間違いなく、ソロモンの事業の中でもっとも重要な建設だったことでしょう。この宮の建設に続いて『自分の宮殿』が建設されました。ソロモンは主の宮より王宮のほうに多く建設の時間を費やしていますが、だからといって王宮のほうが宮より重要だったわけではありません。『ミロ』とは、ダビデの町が呼ばれていた名前です。つまり『ミロ』とは町のことです。この言葉における意味は聖書において明白です。有名な「ミロのヴィーナス」における「ミロ」と、ここで書かれている『ミロ』は全く無関係です。『エルサレムの城壁』とは、エルサレムの周囲に築かれた城壁のことです。これは敵から都が守られるために建設されました。エルサレムにはこういった城壁があっただけでなく、そこは山に囲まれており、戦略的に有利となれる場所でした。ですから、古代のエルサレムは難攻不落の場所として知られていました。『ハツォル』はイスラエルの最北部にある場所です。ここはツロから近い場所にあります。このハツォルが建設されたというのは、つまりそこが全く開発されていなかったか、まだまだ開発の余地があったことを意味しています。『メギド』はハツォルから50kmほど南西に離れた場所です。この場所は古代において戦場として有名でした。ここもやはりまだ十分に開発されていなかったからこそ、ソロモンは建設を行なったのです。『ゲゼル』はエルサレムから北西に30kmほど離れており、そこはダン族の相続地でした。ここはペリシテ人の場所が近くにあります。ここもやはりまだ開発の余地がかなりあったのでしょう。ここでソロモンが行なった建設事業として挙げられているのは「7」つです。これはソロモンがこれらの建設をどれも完全に成し遂げたということです。ソロモンは神の英知を持つ最高の知者でした。ですから、自分の行なう建設をどれも完全に成し遂げることができました。というのも、英知とは事柄に完全性を齎す実践的な知恵のことだからです。