聖書の学び

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Ⅰ列王記10:27(2024/01/02)

【10:27】
『王は銀をエルサレムで石のように用い、杉の木を低地のいちじく桑の木のように大量に用いた。』
 先に見た通り、『タルシシュの船団』はソロモンのもとに『銀』を持ち運んでいました(Ⅰ列王記10:22)。その持ち運ばれた銀は多くあったと推測されます。否、「推測」というより、恐らくそれは「間違いなかった」と言えるかもしれません。だからこそ、ソロモンは『銀をエルサレムで石のように用い』ることができたはずだからです。タルシシュの船団があまり銀を持ち運んでいなくても、イスラエルの所有する銀が既に多くあったとすれば、ソロモンは銀を大いに用いることができたでしょう。しかし、タルシシュの船団が銀を多く持ち運んでいたからこそ、ソロモンは銀を多く用いることができたのだと思われます。ここで言われている『銀』は、先の箇所で書かれていた贈り物の『銀の器』と関係がありません(Ⅰ列王記10:25)。何故なら、ここ言われている銀は未加工の素材であり、先の箇所で書かれていた『銀の器』は加工済みの銀だからです。ソロモンが『銀をエルサレムで石のように用い』たのは、どのような用途のためだったのでしょうか。これは書かれていないので詳しく分かりませんが、恐らく色々な物に使われたのでしょう。またソロモンは『杉の木を低地のいちじく桑の木のように大量に用い』ました。これは、つまりレバノン産の良質な杉材を考えられないほど豊かに使ったということでしょう。ソロモンはツロの王ヒラムと良い関係を持っていたのですから、そのようにすることができたでしょう。この杉材は何のために使われたのでしょうか。これも用途は書かれていませんが、別に用途が分からなかったとしても私たちにとってどうということはありません。ソロモンがこのように銀や杉材を多く使えたのは、ソロモンの財産的な豊かさが非常に大きかったことを示しています。聖書はそのような大量使用を驚くべきこととしてここで記しているのでしょう。神がそのようにできる物質的な御恵みをソロモンに注いで下さっておられました。