【9:17~19】
『また、下ベテ・ホロンと、バアラテ、およびこの地の荒野にあるタデモル、ソロモンの所有の全ての倉庫の町々、戦車のための町々、騎兵のための町々、ソロモンがエルサレムやレバノンや、すべての領地に建てたいと切に願っていたものを建設した。』
ここではソロモンの建設した町々や場所について列挙されています。先の箇所で挙げられていた7つの事業は、ソロモンの事業における代表的な事業だったのでしょう。ここではそれ以外の事業が書かれているのです。『下ベテ・ホロン』とはエルサレムの30kmほど北西にあり、そこはエフライムの相続地でした。ここもやはり十分な開発が為されていなかったのです。ソロモンは財力を多く持っていましたから、このような開発を幾つも行なうことができました。ソロモンは『タデモル』という『荒野にある』場所でも建設事業を行ないました。ソロモンは『倉庫の町々』も建設しましたが、これは恐らく食糧や武器などを保管する『倉庫』だったのでしょう。『戦車のための町々』が建てられたのは、戦車を保管したり修理したりする町々でしょう。『騎兵のための町々』とは、騎兵が住み訓練するための町々だったのでしょう。ソロモンは首都である『エルサレム』においても建設を行ないました。そこは首都ですから、そこでの建設はかなり多かったと推測されます。ソロモンは『レバノン』でも建設事業を行ないました。イスラエルの地はこの『レバノン』のほうにまで広がっていたからです。この『エルサレムやレバノン』以外でも、ソロモンはイスラエルの『すべての領地に建てたいと切に願っていたものを建設し』ました。これはソロモンの支配がイスラエルの全土にまで及んでいたからです。
聖書には詳しく書かれていませんが、ソロモンが行なった事業は数えきれないぐらい多かったことでしょう。ソロモンはその全てを成し遂げることができたはずです。というのもソロモンには神の英知が与えられていたからです。もし成し遂げることができていなければ、ソロモンには神の英知が与えられていなかったことになりましょう。何故なら、神の英知を持ちながら成し遂げられないことはほとんどないはずだからです。ソロモンがそのように事業を成し遂げるのは、神の御心でした。それが御心だったので、神はソロモンに英知を与えて下さったわけです。もし御心でなければソロモンは事業を成し遂げられていませんでした。その場合、そもそもソロモンには英知が与えられていなかったでしょう。この通り、神の御心でなければ何かを成し遂げることはできません。しかし、神の御心であれば何かを成し遂げることができます。このため、ヤコブは手紙の中で聖徒たちが次のように言うべきだと命じたのです。『主の御心であれば、私たちはこのことを、またはあのことをしよう。』