【9:2】
『主は、かつてギブオンで彼に現われたときのように、ソロモンに再び現われた。』
神は、かつてソロモンに現われ、ソロモンの願いを聞き入れられました。そのようにしてソロモンは神の英知を持つ者とされたのです。その時に神が『現われた』のは夢においてでした。神がソロモンに現われた『ギブオン』はエルサレムから20kmほど北西に離れており、そこはベニヤミンの相続地でした。この出来事は既にもう見た通りです。神は再びソロモンに現われて下さいました。それは『かつてギブオンで彼に現われたときのように』でしたから、この時も夢において神は現われました。それは単なる夢でありませんでした。神が本当に夢でソロモンに対し現われて下さったのです。そのように神が現われたのは御言葉を与えるためでした。その御言葉は次の3節から9節までに書かれています。
【9:3】
『主は彼に仰せられた。「あなたがわたしの前で願った祈りと願いをわたしは聞いた。』
神はソロモンの祈りを聞いて下さいました。その祈りとは、つい先ほど見たあの祈りのことです。神はどれだけソロモンの祈りを聞いて下さったのでしょうか。それは祈りの全てです。何故なら、私たちが既に見たあの祈りの内容は、どれも御心に適っていたからです。もし何か御心に適わない部分があれば、神はその部分を指摘され、恐らく「但しあの願いについては別である。」などと言っておられたはずです。このように神はソロモンの祈りを聞かれたので、民が宮で祈るその祈りは神から聞き入れられることとなりました。またイスラエルが悔い改めて赦しを求めるならば、神はキリストにおいて赦して下さいます。神は宮にいつもその御目を向けていて下さいます。また異邦人も宮で祈るならば神はその祈りを聞き入れて下さいます。このように祈りが全て聞き入れられたのは幸いなことでした。ですから、祈りが聞かれたことを知らされたソロモンは大いに喜んだはずです。