聖書の学び

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Ⅰ列王記15:2(2024/03/28)

【15:2】
『彼の母の名はマアカといい、アブシャロムの娘であった。』
 アビヤムの『母の名はマアカ』でした。彼女はレハブアムの妻である女性です。彼女は『アブシャロムの娘』でしたから、レハブアムにとって近い血縁だったことが分かります。今の日本で言えば、レハブアムに対するこの『マアカ』は、悠仁さまに対する愛子さまとなります。近い血縁の者と結婚するというのは、王族において昔から珍しくないことです。一般民からすれば違和感があっても、王族において違和感はありません。聖書も、叔父の子どもであれば結婚することを禁じていません。それは血縁的に許容できるほど遠く離れているからです。レビ記18:6~23の箇所からこのことが分かります。

 

 Ⅱ歴代誌13:2の箇所では、このマアカについて『ミカヤといい、ギブアの出のウリエルの娘であった』と書かれています。Ⅰ列王記の『マアカ』は、Ⅱ歴代誌では『ミカヤ』です。またⅠ列王記で『アブシャロムの娘』と書かれているのは、Ⅱ歴代誌では『ギブアの出のウリエルの娘』となっています。これに矛盾はありません。聖書に書かれていることは全て真実だからです。それでは、どうしてアビヤムの母について異なる人物であるかのごとくⅡ歴代誌では言われているのでしょうか。これに矛盾はありませんが、解釈がどうしても必要となります。私はこう考えます。ここで言われている『アブシャロムの娘』である『マアカ』は、もともと『ギブアの出のウリエルの娘』である『ミカヤ』だったのですが、アブシャロムに養子として引き取られたのです。つまり、アブシャロムは養子とした『ミカヤ』という女に『マアカ』という新しい名前を付けたのです。古代ユダヤで養子は何も珍しくなかったのであり、養子も実の子と同じように取り扱われていました。ですから、アブシャロムが養子とした女に新しい名を付けたとしても不思議なことはありません。このように解釈すれば全く矛盾はなくなります。Ⅱ歴代誌で違う名前と違う親が書かれているのは、このように解釈する以外にないはずです。何か別の解釈が他にあるとすれば、Ⅱ歴代誌のほうでは別の呼ばれ方がされていると考えるべきでしょう。すなわち、Ⅱ歴代誌で『ミカヤ』と言われているのは、『マアカ』の別名だったのです。また『ギブアの出のウリエル』とⅡ歴代誌で書かれているのは男でなく、アブシャロムの妻とされた女性でした。もしこの『ウリエル』を男として考えるならば、『ミカヤ』は養子にされたと考えるしかありません。しかし『ウリエル』が女だったとすれば、『ミカヤ』は『マアカ』の別名だったと考えることもできるでしょう。この2つ目の解釈より、先に述べた養子説のほうがもっともらしいと私には思われます。