聖書の学び

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Ⅰ列王記15:17(2024/04/08)

【15:17】
イスラエルの王バシャはユダに上って来て、ユダの王アサのもとにだれも出入りできないようにするためにラマを築いた。』
 イスラエルの王バシャはユダの王アサに敵対していましたから、『ユダに上って来て、ユダの王アサのもとにだれも出入りできないようにするためにラマを築』きました。『ラマ』とは場所また街の名前です。これは防壁とか城塞を示す言葉ではありません。この『ラマ』という場所はエルサレムから10~20kmほど北に離れています。バシャは、このラマをしっかり建設することで、イスラエル人が誰もエルサレムへ行かないようにと企んだのです。何故なら、エルサレムには神の宮があるからです。もしイスラエル人が神殿のあるエルサレムまで行けば、アサの支配下に置かれている場所へ行くこととなります。そうならないため、バシャは『ラマ』を築くことにより、イスラエル人がそれ以上先へと進めないようにさせたかったのです。イスラエル人はエルサレムに行く際、このラマの場所を通るのです。イスラエル人が敵対しているユダ王国の領地に行くのは、バシャからすれば決して気持ちのいいことではありません。もしかしたらエルサレムに行ったイスラエル人がアサに帰順してしまう可能性さえあったのです。この『ラマ』はユダ王国の最北部に位置しており、すぐ北にはイスラエル王国の国境がありました。イスラエルの国を南に出ればすぐこのラマに着きます。つまり、バシャはラマを築く際、ユダ王国に不法侵入したことになります。ですから、ここではバシャが『ユダに上って来て』と言われているのです。これは、つまり「ユダの領地に入り込んで」という意味になります。このようなラマの建設は、かなり大規模だったことでしょう。何故なら、それは街の建設だからです。バシャにとってそれはかなり重要な事業だったはずです。