聖書の学び

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Ⅰ列王記18:41~42(2024/06/08)

【18:41】

『「上って行って飲み食いしなさい。激しい大雨の音がするから。」』
 完全なる敗北者となったアハブが、エリヤに対してどのような思いを持っていたか、またその雰囲気がどのようだったかは、何も示されていません。ただアハブはエリヤに対して完全な奴隷状態であるも同然だったはずです。もしかしたらエリヤに対して非常な恐れを抱いていた可能性もあります。何故なら、この時のアハブは殺されても不思議なことがない状態だったからです。このアハブに対しエリヤは『上って行って飲み食いしなさい。』と命じます。上るのはカルメン山をです。エリヤもアハブもカルメル山の頂上にいたのではありませんでした。ですから、2人はまだ山の上に行くことができました。アハブが上るべきなのは『激しい大雨の音がするから』でした。これからはもう雨が降るようになり、飢饉も止み、食糧に悩まされることがなくなります。そのような状態となるのを示すため、エリヤはアハブが『飲み食い』すべきだと命じたのです。つまり、エリヤのこの命令は非常に象徴的でした。

 

【18:42】
『そこで、アハブは飲み食いするために上って行った。』
 エリヤの仕えている神こそ真の神であると分かったのですから、アハブはエリヤの言うことに従わざるを得ませんでした。もしエリヤに従わなければ、アハブはどうなっていたか分かりません。逃げたり反発することもできなかったはずです。この時にアハブが何を飲み食いしたかは示されていません。

 

『エリヤはカルメル山の頂上に登り、』
 こうしてエリヤもカルメル山を上ることとなりました。エリヤもアハブと同じで山の頂上にいるのではなかったからです。このことから、主の祭壇は頂上に築かれたのではなかったことが分かります。