聖書の学び

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Ⅰ列王記19:4(2024/06/16)

【19:4】
『私は先祖たちにまさっていませんから。」』
 エリヤが言っている『先祖たち』とは、イスラエルにおける名高い父祖たちのことでしょう。例えば、モーセヨシュアがそうでしょう。エフタやサムソンもそうであるはずです。このような偉大な父祖たちにエリヤは自分が『まさっていませんから』と言います。しかし、実際のところ、エリヤは多くの父祖たちより優れており、モーセとさえ並び立つほどの人物でした。キリストが山上で変貌された際、エリヤは預言者の代表としてモーセと共に現われたからです。エリヤは自分自身のことを客観的に見れていなかったのです。このエリヤだけでなく、人は誰でも自分自身のことを他者が見るかのごとくになかなか見れないものです。このようにエリヤは自分が父祖たちより優れていると思っていませんでしたから、すぐ死なせていただきたいと神に願ったのです。父祖たちよりも優れていなければ、そのような者はそこまで値打ちのある存在だと言えないので、ずっと生きているに値する者でもない。エリヤはこのように言いたかったのでしょう。しかし、エリヤは苦難続きの歩みから抜け出したいため、このように言ったのです。もしエリヤの歩みに苦難が全く無いか少ししか無ければ、エリヤがこのように言って死を求めていたかは分かりません。何故なら、エリヤが苦しいゆえこのように言ったのは明らかだからです。