【5:2】
『そこで、ソロモンはヒラムのもとに人をやって言わせた。』
ヒラムが家来をソロモンのもとに遣わしたので、ソロモンもヒラムのもとに人を遣わしました。ソロモンの遣わした人がどれだけだったかは分かりません。聖書に詳しく書かれていませんが、ヒラムが家来を遣わしたのは、ソロモンに対する挨拶のためだったはずです。そう考えるのが自然だからです。であれば、ソロモンはヒラムの挨拶に応じる形で人を遣わしたことになるのでしょう。
【5:3】
『「あなたがご存じのように、私の父ダビデは、彼の回りからいつも戦いをいどまれていたため、』
私たちが既にⅠとⅡのサムエル記で見た通り、ダビデは『彼の回りからいつも戦いをいどまれてい』ました。このような敵の挑戦は、ダビデにとって辛く苦しいことだったはずです。しかし、そのような苦しみは、ダビデに対する裁きとして齎されたのではありませんでした。それは神による試練の苦しみだったのです。つまり、神はダビデが鍛えられて強くなるため、敵の挑戦という試練を与えておられたわけです。ヒラムはダビデと友人同士でしたから、このようなダビデの苦しみを知っていました。しかし、ヒラムがそれをどれぐらい知っていたか私たちには分かりません。かなり詳しく知っていたかもしれませんし、少し知っているだけだったかもしれません。このような敵からの挑戦は、ソロモンの治世になると、もう鎮静化していました。これはソロモンという名が示す通り、ソロモンの時代は平和が訪れるように定められていたからです。