聖書の学び

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Ⅰ列王記8:37(2023/11/01)

【8:37】
『もし、この地に、ききんが起こり、疫病や立ち枯れや、黒穂病、いなごや油虫が発生した場合、また、敵がこの地の町々を攻め囲んだ場合、どんなわざわい、どんな病気の場合にも、』
 ソロモンは、ここでもまたイスラエルが悲惨に陥った時のことを述べています。ここでは大きく分けて2つの悲惨が言われています。すなわち、イスラエル人の内部において起こる悲惨と外部から降りかかる悲惨です。『ききん』が起こるならば、イスラエル人たちは飢えに悩まされてしまいます。『疫病』の種類は神が御心のままに決められます。『立ち枯れ』により作物が駄目となるので、イスラエル人は困ってしまいます。『黒穂病』もイスラエル人を悩ませます。『いなご』は作物を食い尽くすのですから、『ききん』の大きな原因となります。『油虫』も、やはり作物を駄目にします。これらはイスラエルの内側において起こる悲惨です。『敵がこの地の町々を攻め込んだ場合』というのは、イスラエルの外部から降りかかる悲惨です。このようになれば御民は、大きな恐怖と悩みに満たされます。敵たちがイスラエルに打ち勝つならば、イスラエルは最悪の不幸に苦しみかねないからです。これらが『わざわい』また『病気』の具体例です。ヤコブの子らが罪を犯すならば、こういった悲惨が下されることになります。箴言で言われているように、『みことばを蔑む者はその身を滅ぼす』のです。この箇所で挙げられている悲惨は7つです。すなわち、(1)『ききん』、(2)『疫病』、(3)『立ち枯れ』、(4)『黒穂病』、(5)『いなご』、(6)『油虫』、(7)『敵がこの地の町々を攻め囲んだ場合』、です。これはあらゆる種類の悲惨を示しています。つまり、ここで7つの悲惨が挙げられているのは、部分により全体を示す提喩法です。ここで『わざわい』と『病気』について『どんな』と言われていることからも、これは分かります。ソロモンはここで意識して7つの悲惨を挙げたのでしょう。